ひと齧りのなにか

 

フェティシズム、という言葉がある。
クリスマスにこんな話題で申し訳ないが、言葉がある以上それに貴賎をつけるのはよからぬことだろう。
端的にいえば物もしくは肉体の一部への異様な執着といったところだろうか。


自分のこれがフェティシズムに該当するかどうかは分からないし、何が害とするかも分からない。
ただ、20代前半の頃から自分に起こる現象にその他のしっくる言葉が見つからないのである。


あがらいがたいもはや性的とまでも言える切なさ。気取った文体で書けばこうなるだろうか。


例を挙げると、
80〜90年代っぽいシンセサイザーっぽい音、
冬の澄んだ空気の匂い
草原
少女の笑顔
気の利いたキャッチコピー
ビジネスホテルのドアを開けた瞬間


あたりである。他にもあったんだろうが忘れた。
wikiを見たら、サウダージというものが比較的近いように思えてきた。


個人的に分析するに、子供の頃に見慣れたが忘れてしまい、潜在意識の中にのみあり、それがあるきっかけで思い出したことによって得るものなんじゃないかと思っている。